関東・甲越地区スモン事務局

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関東・甲越地区スモン事務局

厚生労働行政推進調査事業費補助金(難治性疾患政策研究事業)
スモンに関する調査研究班  関東・甲越地区事務局からお知らせ

研究代表者:独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院長 久留 聡
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関東・甲越地区の班員(所属)

関東・甲越地区リーダー
中嶋 秀人(日本大学医学部内科学系神経内科学分野)

小川 克彦(日本大学医学部内科学系神経内科学分野)

白岩 伸子(筑波技術大学保健科学部)

森田 光哉(自治医科大学医学部)

柴田 真(群馬大学医学部附属病院脳神経内科)

尾方 克久(国立病院機構東埼玉病院)

山中 義崇(千葉大学浦安リハビリテーション教育センター)

川上 途行(慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室)

菅谷 慶三(東京都立神経病院脳神経内科)

中村 健(横浜市立大学リハビリテーション科学)

長谷川 一子(国立病院機構相模原病院神経内科/神経難病研究室)

松原 奈絵(国立病院機構西新潟中央病院統括診療部)

新藤 和雅(山梨大学大学院総合研究部医学域神経内科)

スモン病のQ&A

1. スモンとは
英語の病名subacute myelo-optico-neuropathy(亜急性脊髄・視神経・末梢神経障害)の頭文字SMONから付けた病名です。

2. 原因は何ですか
胃腸症状のために服用していたキノホルム(chinoform, clioquinol)が原因で、薬害です。厚生省は昭和45年にキノホルムのわが国における製造販売および使用停止を決定しました。それ以降は新しい患者の発生はなく、患者数は年毎に減少しています。

3. 患者さんは何人位いますか
昭和30年代から40年代に日本各地でスモンが発生し、昭和47年までに全国で11,127人のスモン患者さんが確認されました。平成30年4月1日の時点で健康管理手当を受給しているスモン患者数は、全国で1,221名です。

4. この病気ではどのような症状がおきますか
キノホルムの投与後に腹痛、下痢などの腹部症状が出現。更に2~3週を経て両下肢に異常感覚(ものがついている、しめつけられる、ジンジンする)が出現します。下肢の筋力低下、視力障害なども生じることがあります。

5. スモンの認定基準を教えて下さい
1 必発症状
(1) 腹部症状(腹痛、下痢など)が神経症状に先立って起こる
(2) 神経症状

急性又は亜急性に発現する
感覚障害が前景に立つ。両側性で、下半身ことに下肢末端に強く、上界は不鮮明である。特に、異常感覚(ものがついている、しめつけられる、ジンジンする、その他)を伴い、これをもって初発することが多い

2 参考条項
必発症状と併せて、診断上極めて大切である
(1) 下肢の深部覚障害を呈することが多い
(2) 運動障害

下肢の筋力低下がよくみられる
錐体路徴候(下肢腱反射の亢進、Babinski 現象など)を呈することが多い             

(3) 上肢に軽度の感覚・運動障害を起こすことがある
(4) 次の諸症状を伴うことがある

両側性視力障害
脳症状、精神症状
緑色舌苔、緑便
膀胱・直腸障害

(5) 経過はおおむね遷延し、再燃することがある
(6) 血液像、髄液所見に著明な変化がない
(7) 小児には稀である

3 鑑別除外診断 ギラン・バレー症候群、亜急性連合性脊髄変性症、ペラグラ、急性間欠性ポルフィリン症、 癌性ニューロパチー、脱髄性疾患、抗結核剤ニューロパチー、脊髄炎、脊髄腫瘍、アミロイドーシス、 糖尿病性ニューロパチー

6. この病気はどのような経過をたどりますか
スモンの臨床経過は急性期の悪化後にある程度は回復し、その後は後遺症を残します。後遺症としては、異常感覚、歩行障害、視力障害が多いです。白内障、高血圧、四肢関節疾患、うつ病などを合併することがあります。

7. どのような治療法がありますか
残存症状に対する根本的治療法はなく、対症療法となります。下肢異常感覚にはノイロトロピン、抗うつ薬、鎮痛薬、ハリ治療、体操などが用いられます。

8. この病気は遺伝しますか
遺伝はしません。

9. 介護保険は使えますか
65歳以上では介護または支援が必要と認定されれば給付対象となります。40~64歳では介護保険の給付対象外です。

10. 日本大学はスモンと関係がありますか
日本大学医学部神経内科 初代教授の高須俊明は、スモンが薬害であることを証明するのに貢献した医師です。スモンの原因がウイルスであるという説が広まっていた時代に、スモンの緑色舌苔(図1)を報告し、キノホルムが緑色舌苔の原因であることを証明しました。 高須教授は定年退職しましたが、高須教授の指導を受けた日本大学神経内科の多くの医師が現在でもスモン患者さんの診療に積極的に携わっています。

スモンに関する調査研究班  関東・甲越地区チームリーダー
日本大学医学部 内科学系神経内科学分野
主任教授 中嶋 秀人
担当秘書 牧山夕子
住所:〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1
代表電話:03-3972-8111